胃腸炎の脱水サインを見逃さないで!仕事に忙しいママ・パパへ贈る、家庭でできる「経口補水療法」のコツ
公開日
2026.2.16
更新日
2026.4.22
目次
いま急性胃腸炎が流行しています
【医療者向け】脱水評価と経口補水のエビデンス
【保護者向け】まず知ってほしい3つのポイント
水分のとり方 ― 正しい経口補水の方法
受診の目安(すぐ受診/様子を見てよい場合)
よくある質問Q&A
まとめ
当院からのご案内
参考文献
いま急性胃腸炎が流行しています
冬から春にかけて、ウイルス性の急性胃腸炎(いわゆる「おなかの風邪」)が流行します。嘔吐や下痢が続くと、保護者の方が最も心配されるのが「脱水」です。
結論からお伝えします。
多くの小児の急性胃腸炎は、適切な“経口補水”ができれば自宅で安全に乗り切れます。
ポイントは「少量・頻回・適切な組成」です。
【保護者向け】まず知ってほしい3つのポイント
① ほとんどは自然に治ります
多くは1~3日でピークを越えます。
② 一番大切なのは「水分」
食事よりもまず水分です。
③ 一度にたくさん飲ませない
吐いてしまう原因になります。
水分のとり方 ― 正しい経口補水の方法
◎おすすめ
経口補水液(OS-1など)
医療用ORS
△代替案(やむを得ない場合)
薄めたスポーツドリンク(2倍程度に希釈)
×避けたいもの
水だけ
ジュース
原液スポーツドリンク
どうやって飲ませる?
嘔吐がある場合
まず30分ほど何も与えず休ませる
その後、5mL(ティースプーン1杯)を5分ごと
吐かなければ少しずつ増量
目安:
軽度脱水:体重1kgあたり50mLを4時間で
中等度:体重1kgあたり80~100mLを4時間で
食事はどうする?
無理に絶食させない
吐き気が落ち着いたら少量から再開
おかゆ、うどん、バナナなど消化の良いもの
母乳は継続してOKです。
受診の目安
すぐ受診
ぐったりしている
半日以上尿が出ない
泣いても涙が出ない
血便
繰り返す激しい嘔吐
3か月未満の乳児
様子を見てよい場合
元気がある
少量ずつ水分が取れている
尿が出ている
迷ったら遠慮なくご相談ください。
よくある質問Q&A
Q. 下痢止めは使うべき?
基本的には不要です。ウイルス排出を妨げる可能性があります。
Q. きょうだいにうつりますか?
非常に感染力が強いです。
手洗い・トイレ後の消毒が重要です。
家族みんなを守るために。家庭内感染を防ぐコツ
お子さんの看病をしながら、親御さんまで倒れてしまっては大変です。胃腸炎のウイルスは非常に感染力が強いため、以下の2点を徹底しましょう。
手洗いは「石鹸と流水」で: アルコール消毒が効きにくいウイルス(ノロウイルスなど)も多いため、物理的に洗い流すのが一番です。
処理は使い捨て手袋を: 嘔吐物を片付ける際は、マスクと手袋を着用し、塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)で消毒しましょう。
Q. 家で見ていると心配・・病院に行くタイミングは?
「家で様子を見ていて大丈夫かな?」と迷ったときは、以下の脱水サインをチェックしてください。これらに当てはまる場合は、早めの受診をお勧めします。
おしっこの量が少ない: 半日以上出ていない、色が濃い。
泣いても涙が出ない: 口の中がカラカラに乾いている。
ぐったりしている: 目がうつろで、呼びかけへの反応が鈍い。
水分を受け付けない: 飲ませてもすぐに吐いてしまう。
総合診療医の視点からお伝えしたいのは、「親御さんの直感」も立派な判断基準だということです。「いつもと何かが違う」「なんとなく顔色が悪い」と感じたら、遠慮なく相談してくださいね。
まとめ
急性胃腸炎で最も大事なのは脱水予防
少量・頻回・適切な経口補水液
元気があれば多くは自宅で対応可能
不安なときは「様子を見る」より「相談する」ことをおすすめします。
当院からのご案内
つくば駅直結。困ったときはいつでも頼ってください
つくばLAファミリークリニックは、つくば駅直結です。
私たちは単に「薬を出す」だけの場所ではありません。「明日どうしても仕事が休めないけれど、どうすればいい?」「上の子に移らないか心配」といった、生活の中の困りごとにも一緒に向き合います。
病気を診るだけでなく、あなたとご家族の「日常」を守るパートナーでありたい。そう願っています。少しでも不安を感じたら、お仕事帰りやお出かけのついでに、いつでもお立ち寄りください。
参考文献
WHO. Oral Rehydration Salts: Production of the New ORS.
AAP Clinical Practice Guideline: Acute Gastroenteritis in Children
UpToDate: Oral rehydration therapy in children



